劇団 子供鉅人「piece of IN THE BLACK」
アフタートーク抜粋

益山貴司(劇団子供鉅人 主宰)× 服部滋樹(graf 代表)
服部滋樹(以下、H) ひとつのカテゴリーに収まらへんていうのはやっぱりあると思うんですよね。それだけじゃ生きていけないていう時代になってるじゃないですか。で、たぶん子供鉅人もそうやと思うんやけど、完全に劇団なんかお笑いなんかわからんでしょ。

益山貴司(以下、M) そうですね(笑)

H ノンカテゴリーな人たちていうのはやっぱり新しいような気がすごいする。最近そういうのにすごい興味があって、一個のカテゴリーに収まってるようなものはまずいなあて思う。見てると、子供鉅人みたいな色んなジャンルの人とか事を巻き込んでる、そういうことのほうがいいんちゃうかと思う。そういや子供鉅人て、どうやって集まったんだっけ?

M もともとは子供鉅人の前に劇団をやっていまして、それが母体といえば母体なんですね。で、私は谷町六丁目でポコペンという店をしておりまして、そこで出会った人たちていうのを加えてする。ある意味では演劇が大好きだというよりも、なにかしたいていう人が集まってはじまってます。それが、さっきの色んなジャンルをボーダーでいくていう話にもつながっていくと思うんですよね。もともと僕自身がそんなに演劇に影響を‥‥もちろん演劇大好きですけれども、一時期演劇が大嫌いですといった時期もありますが、色んなジャンルと交錯していくのが面白いと思うので、子供鉅人のスタンスとしてはいわゆる演劇ファンみたいな人たちよりも、演劇を見た事がない人たちや、あるいはいろいろな事を見ている人たちに見て欲しいという気持ちがありますね。

H そういう人たちを呼ぶためにどうやって集客しようと思ったの?

M えー‥‥、わからへん(笑)。自分が出向いていってるところが、劇団ではなくて、展覧会やライブハウスであったりとか、そうでないところに出向いて人のつながりを作っていくみたいなところかも知れないですね。あとはやっぱりポコペンていう場所が大きいです。ポコペンに来てくれる人たち、なかでも「なにこの汚い家は!」て思ってくれない人たち(笑)。そういう人たちとは自然につながっていけるという気がします。

H それって身銭きって環境つくって、みんなに来てもらって、そこから発信する訳でしょ。いわゆるメディアを使わない方法じゃない?なんかそういうオーガナイズする人たちがもっと増えたらいいのになと思う。

M 自分自身がメディアになろうていうのは、子供鉅人の間でも話にしますね。

H それいつ気付いたの?

M いつ‥‥(横で子供鉅人のメンバーがじゃれてるのを見て)こういうことをしてるときですかね(笑)。でも本当に最近それは思いますね。やっぱり人ありきなんだなて思います。ぼくも演劇をする立場なので、油断をするとよけいな情報に流されてしまいがちなんですよ。お店をしたり、演劇をしたり、そういう色んな事をしてるていうのは本当はいけないんじゃないかとか悩んだ時期があって、今も悩むんですけど、日本て職人幻想みたいなところがあって一本じゃないといけないみたいな。

H なんかそれ俺もいわれるよー

(会場・笑)

M 悩み相談室(笑)

H 地に足つけてない感じあるやん、それって。地に足つけて一本をやるのもわかってんねんけど、でもそうじゃない方法もあるんじゃないかって可能性を見つめてるっていうか。浮いててもええねん、そこにもしかしたら新しい道があるかもしれんて思うくらい複雑な訳よ。

M その話でいうと、自分の生い立ちとかもコミットしてくる部分があって、故郷の喪失みたいなところがあるんですよ。自分自身が旅をして、立ち止まったところが故郷だというようなところが強くあるから、色んなジャンルをボーダーしていく事にあまりためらいがないというか、面白ければいいか、と。それは一緒のタームを共有してるかとかではなくて、もっと生理的、本質、楽しみの部分で面白いと思える事ってあるんじゃないのかな、人種とかを越えてって思うんですよね。
服部滋樹 HATTORI Shigeki

1970 年大阪生まれ。graf代表。神戸大学教育学部美術学科彫刻科大学院研究課程中退。 1998年大阪、南堀江にショールーム“graf”をオープン。2000“decorative mode no.3”設立。同年、中之島に移転し、“graf bld.”を設立。2001年、ロンドンオフィス設立。
オリジナル家具の企画・製作・販売、店舗・住宅プロデュース、設計・施工、グラフィックデザイン、カフェ経営などを手がける。

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